☆2006年10月7日(土)<予選>
夜中の4時頃、激しい爆音で目が覚めました。
あたりはまだ暗いですが、すぐ近くで何やら人の声がします。
暗闇に目を凝らすと、駐車場の管理人さんが、新たに到着したお客さんを、
空いている駐車スペース(うちの車の隣)に案内・誘導しているところでした。
車はカーボンGTウイングを装着した白のFDです。
「早朝バズーカー」に匹敵する爆音の主ですね~。
助手席には、どうやら彼女が乗っているようです。
相手の車も窓を開けているようで、2人の話し声が爆音と共にこちらに聞こえてきます。
FDの2人は、車内でしばらく話をしたあと、暗闇の中、F1会場に向かった様子でした。
どの位の間かは覚えていませんが、彼女と話をしている間、
ずーっと爆音アイドリングをしていて・・・
「うるさいからとっととエンジン切ってくれ!」(怒)
・・と眠いながらも、かなりムッとしておりました。
明朝、明るくなってから起きて爆音のヌシを見ると
やはり、下品なエキゾースト音から想像できる思った通りの車で、
室内にはダッシュボード上に5個位のメータを一列に並べて付けた、
ガラの悪いFD君でした。
・・・こりゃ~相当の「メータフェチ」だな。
メータ1個で気持ちは5馬力アップってか?
それだけ並べると視界が悪い上に色んな意味でちょっと危ないんじゃない?
・・って余計な心配をしてしまいます。
とにかく、そんなに付けて一体いつ何を見るの?
・・・って感じです。
サーキット走行でも、せいぜい油温と油圧、
ブーストコントローラーを付けていれば、ブースト計があれば必要にして十分!
温度関係のメータは、あるとかえって「思いっきり走れなくなるんで」、
意外と「知らない方が幸せ!」と思うくらい必要ないかも?
一定時間思いっきり走ったら人も車も休む!
・・・普通は、これで十分なんじゃないかな?
毎度、耐久レースするんなら、話は別だけどね。
ちなみに北海道では、族車と走り系の車は素人の見た目でも、
比較的区別が付きやすいのですが、
こちらの車は、その道プロの車、族車、ヤン車、走り屋車の差が非常に判りにくいっ!
(その代わりイタ車は非常に判り易い)
このFDは、札幌で言うところの族車とヤン車と走り屋の車を足して
3っ!で割ったような?・・・なんとも中途半端な車でした。
良くは知りませんが、関西方面では、もしかするとこういう中途半端で下品な車が
流行っているのでしょうかねぇ?
ベイルサイドのエアロバリバリで、一応はドリフト系の走り屋なのでしょうか?
最近・・・
「マナーが悪い」=「やっぱり大阪ナンバー」
・・・というイメージが定着しつつありますね~。
そうでない大阪の人も多分居るのでしょうが・・・
絶対数が多すぎるのか圧倒的に目に付きます。
いや、正直、目に余るというべきか?
・・さて、話を戻しましてFDではなく、F1の話でしたね。
外が明るくなる頃には、自分が居る駐車場も、見事に満車となっておりました。
民間の出入自由な駐車場は、基本的に24時間管理人さんがついていて、
空きがあれば夜中でも受付けてくれます。
早朝、朝食の準備をしていたら、FDとは逆となりの「多摩ナンバー」の
ワンボックスのオジ様とちょっと仲良くなりました。
おそらく「札幌ナンバー」が珍しかったようで、
向こうから声を掛けてきてくれました。
隣のオジ様は、なんと日本F1開催時より皆勤賞で観戦しているという
大ベテランの方でした。
使い込んだカセットコンロとヤカンでお湯を沸かしてカップラーメンを
食べていました。
年季というか、流石は行動に余裕が感じられます。
とにかく「渋い!」と感じる素敵なオジ様でした。
朝8時、昨日の晩飯の残りとパンで朝食を済ませて、
足早にサーキットに向かいます。
駐車場の中では、F1ベテラン組のオジ様を除き、
どうやら自分たちが最後発組のようで、既にだれも残っていない状況。
皆、暗いうちにサーキット場へ向かったようです。
(オジ様は指定席確保済みなんで急ぐ必要なし)
当日は、強風ながらも、雲一つない快晴です。
一面の青空。まるで北海道のようです。
風は涼しいですが、日差しは朝からかなりジリジリ
しています。
どうやら、今日は最高のF1日和となりそうです。
わき道から、ひょいとサーキット正門へと続く
メインの通りに出ると・・・
!!!!
おおおおおおーーーっ!
思わず「腐海が溢れたぁ~!!」と、
叫びたくなるような状況で、
まるでオームの群れのようにサーキットへ向かう人の波で
歩道が溢れています。
ここから約25分、群れに紛れてサーキットへ歩いて向かいます。
歩道の混雑よりも、もっと酷いのは、平行に流れる車道・・・
まったく動いておりません。
歩いた方が確実に速いです。
人、自転車、バイク、車、混み混みで、ようやく正面ゲートに到着。
気分は「ディズニーランドの開園」です。
想像以上の凄い人です。
・・・決勝はどうなってしまうんでしょうか?
明日の決勝を見れないながらも、余計な心配をしてしまいます。
メーカー・ショップなどの各ブースにも凄い人数がタカっております。
特にグッズを配布しているブースには・・・
長蛇の列が・・・
長すぎてどこが最後尾だか全く判りません。
列と列がクロス&ミックス+歩行者の列 ・ ・ ・
もうぐちゃぐちゃです。
(もう、笑うしかない・・・)
当然、昨日購入を控えたグッズも、とても買える状況ではなく・・・
近寄るのも難しければ、脱出するのも楽ではありません。
早々にあきらめて、昨日確保した席に向かう事にしました。
「強風で飛んでいなければいいけど・・・」
席に向かう通路は、どこも混み混みで、
いたるところに人間の渋滞がおきております。
ダンロップコーナーの自由席も既に飽和状態で、放送では・・・
「これから場所を探す人は、
場所が無いので引き返して下さい」
・・・とのアナウンスが流れる程です。
通路、階段にも無理やり観戦席として人がおり、狭い通路を塞ぐことで
通行の混雑を激化させています。
本来の観戦エリアが溢れて変わってしまった事で、昨日の場所を探すのに
ちょっと苦労しましたが、なんとか自分達の場所を見つけることが出来ました。
・・・が、確保面積がいつのまにか2/3に!?
どうやら後ろ(本来通路)の大阪ファミリーが
勝手に我家のレジャーシートを
前方にズラして折りたたんだ模様。
まあ、1/3減っても多少狭くなるだけで、
観戦自体に影響は無いというか ・ ・ ・
この周りの状況から判断して、
どのみちそうするつもりだったので、良しとしましたが・・・
どうも大阪人の「モラル」というか、
自分本位の行動が、どうにもこうにも
理解できませんねぇ~。(怒)
どうなんでしょうか?
大阪の方々!?
・・・・
過去の予選形式がどうだったかは、良く知りませんが
今年から予選は、「ノックアウト方式」
・・・というのに変わったらしく、
3回に分けて走行を行い、各セクションにて
下位が脱落していくというシステムになったようです。
実はこれがなかなか盛り上がる。
見ている観客にとっては、
非常にいいシステムを取り入れたと思います。
会場には、DJによるアナウンスが流れ、
次第に会場が盛り上がっていきます。
このDJが
なかなかのやり手で、
盛り上げ上手。
WRCのスーパーSSのDJも、是非とも見習って欲しいと思う程です。
DJが楽しませてくれたお蔭で、
あっという間に予選開始の時間となりました。
最初は、佐藤琢磨選手が勢い良くコースに出ます!
琢磨選手が前を通ると皆、凄い声援を送ります。
もちろん、自分たちも!!
やっぱり琢磨選手の人気は高いですね。
実際全体の約7割の観客がフェラーリ仕様の何らかの格好をしています。
・・んで、1割ホンダ、1割トヨタ、1割その他でしょうか?
フェラーリの格好をしていても、
日本人は皆、琢磨選手を応援しています!
素晴らしい!!
WRCも、格好とは別に「みんな頑張れ!」と
言っているのと似ているような気がしますね。
沿道応援で、前を通る車に合わせて旗を持ち替えて応援したのを
ちょっと思い出しました。
琢磨選手がラップを重ねると、
DJによりそのタイムが逐次アナウンスされます。
「ただいまの琢磨選手のラップタイムは○○です!
序盤からかなりいいタイムを叩きだしてきました~!!!」
・・・ってな感じで。
最初は琢磨選手だけ走っていたのですが、徐々に他の選手もコースインしてきます。
そしたら、あたらしい選手がコースインする度にあっさりとタイムを塗り替えていきます。
やっぱ、世界の壁って厚いのね~。 (T.T)
トップ選手のタイムには、程遠いって事がわかってちょっとガックし・・・
もう一人の日本人ドライバーである左近選手もコースイン・・・
・・・・
・・・するも、いきなりスピンして、なんと居なくなってしまいました・・・
大丈夫かぁ?スーパーアグリぃ?
まあ、今は暖かい目で見守りますか・・・
アグリの夢には共感するものがありますんで、
是非とも将来、男の夢を実現させて欲しいものです!
第1セクション、第2セクションと予選は続き、ラップタイムが伸びない下位の選手が
脱落していく中、フェラーリの2台が順調にスーパーラップを刻みます。
特にミハエルが予選中に
とんでもないタイムを叩きだしました!!
去年よりレギュレーション変更のため排気量&パワーが落ちたマシンで、
鈴鹿のコースレコードを塗り替えてしまいました。
DJがそのことを会場に告げると、場内は大盛り上がり!
ミハエルのマシンが通りすぎると皆、拍手喝采です!
フェラーリの2台は他のマシンをぶっちぎるタイムを連発します。
そして、ミハエル2度目の
コースレコード更新!!
まさに神掛かった走り、最高の走りを魅せてくれました。
対象的だったのが、ライコネン、過去の王者がここで脱落です。
そして、最終予選の第3セクション!フェラーリの1・2は、ほぼ確定、
不動の走りを魅せつつ周回を重ねる中、最後の最後で、なんと、
フェラーリのセカンドドライバーであるマッサがトップタイムをマークし、
決勝のポールポジションをGETするという想定外のニュースが起きました。
・・・まさかのマッサ!!!
予選を見て実感したのは、鈴鹿の場合、スターティンググリッドの位置が
かなり重要みたいで、予選は本戦よりもストイックで実は過激な内容だということが判りました。
(決勝よりマージンを削って走る予選の方が実際速いです)
・・・そして、非常にドラマがあるレースであったためか、盛り上がり具合も十分で、
夫婦共に最高に楽しめました~!
F1史上とても貴重な決勝戦も続けて見たいところですが、
私には東京での仕事が待っております。
帰りの混雑を避けるため席にじっと鎮座し、暫しレースの余韻に浸ります。
F1の予選終了後は、インテRの予選が行なわれます。
明日の前座を務める大事な予選、皆、気合の走りです。
1時間程経過したくらいで、混雑もある程度、落ち着きようやく動けるようになりました。
シートを片付けようとして立ち上がると、下の方の席でオロオロしている
若い兄ちゃんを妻が発見。
「ねえ、あの子、多分、席をさがしてるんじゃ・・・昨日、結構風で飛んでいたからね・・」
動揺している姿がなんか可哀想だったんで、一応、声を掛ける事にしました。
「どうしましたか?」と尋ねると、自分の確保した場所が、いつのまにか無くなってしまって、
とても困っているとの話でした。
「良ければこのまま譲るよ」と言うと、とても喜んでいました。
当方もゴミとしてシートを持ち帰る手間が省けるので、
まさに一石二鳥、いや三鳥ってところです。
正面ゲート方向は、まだ激混み状態のままなので、裏ゲートより出ることにしました。
途中、職場へのおみやげを買うのを忘れた事に気がつき、
正面ゲートから出る人波に逆行する形でムリムリ再入場~
入場者カウントの水増しに貢献します。
激混雑の中、「レスポンス」という名前のお菓子を買って帰る事にしました。
本当は「鈴鹿の風」というお菓子が買いたかったけど、どうやら既に売り切れていた模様。
後ろ髪を引かれつつ、鈴鹿サーキットを後にします。
予想通り、時間を2時間近くずらしても歩道も車道も今だに大渋滞。
さらに時間を潰すべく、ちょっとお洒落な「鞍馬サンド」というサンドイッチ屋さんに入って
しばしのコーヒータ~イム!
札幌の「サエラ」には今一歩及びませんが、
これはこれでなかなか美味しいサンドイッチ&コーヒーでした。
店内には、店の名前が入ったレース用バイクが何台も綺麗に磨かれて置かれていて、
写真なんかも飾ってありました。
店のオーナーまたは関係者がバイクのレース活動をしていたのがわかります。
あたりが暗くなってきたころ、ようやく歩道を歩く人が少なくなってきましたので、
店を出ることにしました。
車道は大渋滞のままです。
・・・多分、これは明日の決勝までずーっと続くのだと確信しました。
オデッセイ号がある駐車場につくと、渋滞を少しでも避けるため、とりあえず軽く一眠りする事に。
夜の8時頃に目を覚ましてあたりを見ると、周りの人もそれぞれ帰ってきていて、
おそらくこれから風呂や夕食にいくのか、皆、出かける準備をしています。
妻は、自分より一足早くに起きていたようで、携帯でF1のサイトを閲覧していました。
そして、起きたばかりの私に向かって・・・
「ねえ、ねえ、今掲示板にチケットが欲しいという女の子がいるんだけど、
まだ時間あるし、あげてもいいかなぁ?」って聞いてきました。
妻が言うには、なんだか 必死で可哀想との事・・・。
欲しい枚数は、2枚で、もうサーキットまで来ているとの事でした。
なんともチャレンジャーというか無謀というか・・・
まあ、このまま使わないチケットを持っていても、勿体ないので譲ってもOKという事にしました。
妻と相手とでメールでやりとりし、「無事交渉成立」。
こっちは、1枚3000円程度で考えていたところ、相手はなんと
「できれば1枚1万円で譲ってもらえるととても有り難い」との事・・・!
はぁー相場はそんなに高いのねぇ~?
1枚1万円だと流石に良心が痛むので、こちらから2枚で1万という条件にしてあげました。
ちなみに私の上司(コースを挟んだ向かいの指定席に居たらしい)は、
なんと購入額と同額+αで売却したとの事。
・・・凄い、F1観戦したうえに何と儲けてやがる!
また、その上司の友人は余分に購入して余った券を購入価格のなんと・・・
倍額で売却したとの話。
・・・絶句!
確かにサーキットからの行き帰りの道で、怪しいダフ屋は沢山居たけれど・・・
そんなに高額で取引されているなんて・・・
正直、びっくりです!
チケットのお相手はメールの文面でも、なんとなく想像が付いたのですが、
実際会うと、思ったとおりのとても初々しい感じのペアでした。
妻とやり取りした彼女は、素朴な感じのする可愛い子で、
彼氏もこれまた、人の良さそうな好青年。
無事取引が成立し、相手がとても喜んでくれたお蔭で、なんだか良い気分のまま、
鈴鹿サーキットを後にすることが出来ました。
東京の家についたのは、夜中の3時、ビールで到着の無事を祝して乾杯!
観戦での出来事を回想して、妻といろいろ話をしたあと疲労により、
ほどなく撃沈・・・
翌日、TVで決勝をみたあと、職場に向かいました。
決勝は、個人的には残念な結果に・・・
トップを独走していたミハエルがまさかのリタイヤ。
物事、そんなに上手くは行かないといった現実の厳しさを感じさせるレース結果となりました。
F1にも来るべくして世代交代の波が訪れたという事なんでしょう。
アロンソが運を引き寄せての優勝となりました。
これで我家としては、初のF1観戦を実現出来ました。
来年は是非ともF1とWRC、両方見たい!と密かに企んでおります。
(有給は、捨てる程にたっぷりあるけど、要は仕事のスケジュール次第なんだな・・・)
・・・ここまでが、回想。
・・・F1とWRCに行くぞ!と毎年思っているが、
実際は仕事のスケジュール上、なかなか行けない現実が・・・
08年のWRCは帯広に変わって札幌での開催っ!!
東京から約2時間で行る距離となった。
今年はなんとかして行きたいっ!!
マジで行きたいっ!!!
せめて、ドームで行われるスーパーSSだけでも見に行きたいですぅ~!